イケメンの顔面踏んづけた結果。
翌日。イライラしたまま登校し、イライラしたまま授業を終え、イライラしたまま昼休みに突入。
「で、お見合いの日付はいつになったの?♪」
楽しげにそう聞いてくる葵にさらにイライラ。
「だからしねーよ!!!」
と無意識のうちにアイツを見て吠えると、「だからあたしに言うなよ」的な表情にイライラ爆発。
「だからお前に言ってねーよ!!」
「は!?あたし何も言ってないじゃん!!」
「顔で言ってんだよブス!!!」
「意味わかんない!!!」
…また喧嘩…
なんか疲れた。
帰宅して早々、昨日と同じようにベッドに寝転がる俺。
するとこれまた昨日と同じようにコンコン、とドアをノックする音がした。
なんだよまた親父か!?
でも顔を出したのは執事の菊池。
「慧様にお客様です」
「お客様ぁ?」
思わず怪訝な顔する俺に、菊池の背後から現れたのは
「…あなたが慧?」
…見知らぬ女。
深い茶色の髪を、肩までおろしている。大きな瞳にバッチリ施されたメイク。
「…誰、あんた」
「一橋麗華(ヒトツバシレイカ)。あんたのお見合い相手」
そいつは俺の傍までツカツカ歩み寄ると
「お父様には内緒で来たの。話があるから顔かして」
…よく分かんねーけど偉そうな女…。