イケメンの顔面踏んづけた結果。
オレンジ色の夕日がカーテンの隙間を縫って、新藤慧の横顔を照らす。
…まつげ長。どんだけあんのコレ!?
と思わず凝視。
知らないうちに、かなり顔の距離を近づけてしまっていたことに気付いて、慌てて元の位置に戻った。
…それにしても、寝顔は幼いな。普段はメチャクチャムカつくのに。
あたしは必要以上に近づかないようにしながら、新藤慧の寝顔を観察。
……そういえばあたしも、熱出したことあったな。
あの時は…なぜか突然家に来た新藤慧が、なんだかんだずっと傍にいてくれたんだっけ。
…あの時の新藤慧はなんか
優しかった気がする。
「……ブス?」
すると不意に、目を覚ました。
「…あたしブスって名前じゃないけど。熱で頭やられてるね」
「…うっせーなー…」
ちょっとだけ笑った新藤慧が、具合悪そうに額を腕で押さえる。
「…あたし先生呼んでくるね!」
そう言って立ち上がった瞬間
「…行くなよ」
新藤慧の手が、あたしの腕をつかんだ。