イケメンの顔面踏んづけた結果。
「…お前といるとすっげーイラつく、ほんとに」
「…は?」
破裂しそうな心臓と必死に戦っているあたしの上からふってきた声。
…ケンカ売ってんの?
「…でも」
新藤慧の手が、あたしの髪をすくようにそっと、撫でる。
「傍にいたいと思う。
…傍にいて欲しいと思う。
なんでだろ?」
「……知らないよ、そんなの」
あたしはもう、新藤慧の胸に顔をうずめたまま、素っ気なくそう答えることしか出来なくて。
「ていうか!!」
これ以上優しく頭を撫でられていたらおかしくなりそうで、あたしはガバッと体を起こした。
「こんな密着してたら風邪うつるから!!」
「…うつれば?
そん時はまた俺が看病してやるし。
ありがたく思えよ、ブス」
「…誰が!」
慣れない甘い雰囲気に、あたしは逃げるように保健室を出た。