イケメンの顔面踏んづけた結果。
「…ら、らしいね…ハハハ…」
なんでも新藤慧は、超人気メンズ雑誌で、ケイとして大活躍中らしい…よく知らないけど…。
「もしこの俺の大事な顔に傷でもついたらどうしてくれんだ…?あ゛!?」
「ひぃっ!!!」
それまで恐ろしいほど冷静だった新藤慧が、急に大きな声を出してビクッと肩が震えた。
こ、怖っ!!!
「…は…はは…ど、どうしよう…」
涙ながらに何とかそれだけ言うと
グイッと腕を思いきり引っ張られて
「ぎゃっ!?」
気付けば目の前には超ドアップの新藤慧。
「お前の人生、メチャクチャにしてやってもいいんだぜ…?」
クイッと口元を奇妙に釣り上げた新藤慧の目…全く笑ってない。
奴は本気だ。
新藤グループの御曹司である奴からしたら、あたしみたいな平凡女の人生を捻り潰してやるくらい、造作もないことなんだ…
そして奴ならそれをマジでやりかねない。
そんな気がした。