イケメンの顔面踏んづけた結果。
「で、何の用?」
人のキャスター付きの椅子に勝手に座り、無駄に長い足を組むアイツの前にケーキと紅茶を並べながら聞く。
普段うちでは滅多にケーキなんて食べないんだけど…お母さんがさっき慌てて買ってきた。
「つーか狭い部屋だな…こんなとこで本当に生活できんのか?」
質問を無視して部屋をジロジロ眺める新藤慧。
「うるっさい。で、何の用!?」
「ヒステリーになんなよブス。見苦しいぞ」
あー…新年早々イライラする。
「あんたのその口の悪さどうにかならないの?」
「あぁ?お前にだけは言われたくねーよブス!
人のパーティーで散々人の悪口言いやがって」
…あ。とあたしは思い出す。
そうだったー!!!!
「あのー…お父様とお母様はお元気?」
「は?なんだよ気持ちわりぃな」
突然口調を変えたあたしに顔を歪ませる新藤慧。
「気持ち悪いのは顔だけにしとけよ」
「このクソッ……な、何か私のことについて言っていませんでしたか?」
あたしは湧き上がる怒りを何とか抑えて聞いた。
…落ち着くのよ、綾世。この家の平和は、今あたしにかかっていると言っても過言ではない!!