イケメンの顔面踏んづけた結果。




「自分のは自分でやらないと意味ないと思いますけど!」



言ってやった。


言ってやったぜあたし!




「安心しろ。俺はこれをやる」




そう言ってドヤ顔で出したのは現代文の課題。




は?意味がわからん。




そんなあたしの疑問を感じたのか、ドヤ顔で続ける新藤慧。




「俺はこないだのテストで数学は98点だった。ちなみに-2点は単なる符号ミスだ」



「へ…へぇ、それで?」




ちなみにあたしは56点でしたけど。さりげなく自慢してんのかコラ。




「というわけで、俺に数学の課題は必要ない。よってお前がやれ」




そしてまた紅茶を一口飲んだ。




いやいや全然“よって”になってない。





「だからって何であたしが…!」



「お前は俺の奴隷だろうが」




ジロリとあたしに視線を落とす新藤慧。





「奴隷が主人の言うことを聞くのは当たり前だろ?」



「はぁ!?主人!?誰が!!」



「パーティーのこと」





カタ、と奴が紅茶の入ったマグカップを置く。





「忘れたわけじゃないよなぁ…?」




ゾクリと体中に鳥肌がたつ。



なんだか急に部屋の気温が下がったような…





「…やらせて頂きます」





もうやだこんな生活。






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