イケメンの顔面踏んづけた結果。
「うるっせ…お前俺の鼓膜破る気かブス!!」
あたしの渾身の叫びにダメージを受けた新藤慧が、顔を歪ませながらあたしの上から退いた。
「…あ、あんたが押し倒してくるからでしょ!?」
「誰がお前なんか押し倒すか!!お前が勝手に転がったんだろうが!!!」
片手で耳を抑える新藤慧が、空いた方の手でリ〇ックマのクッションを投げてくる。
そして見事顔面にクリーンヒット。
「痛!?」
「第一お前なんか押し倒して何すんだよ?
胴体三歳児のクセに」
どっ…
胴体三歳児!?
「さすがにもうちょっと発達してるわ!!!」
失礼すぎるぞコイツ!!
「ふーん…とにかく俺は胴体三歳児の女に興味はねぇ。帰る」
だから三歳よりちょっとは発達してる言ってんのに!!
人の話を聞かない男・新藤慧は不愉快そうにそう言って立ち上がった。
そしてそのまま部屋を出て行こうとする。
「ちょっちょっと待ってよ!」
「あぁ?」
「数学の課題忘れてる!!」
すると新藤慧はさも当たり前のように
「だからそれはお前の仕事だろ?明日までに仕上げて俺のクラスに持ってこい。
忘れたらぶっ殺すじゃーな」
そして高級そうなコートを翻し階段を下りていった。
…神様。
帰り道、アイツの無駄に高そうなコートが車が跳ねた泥水まみれになりますように。