イケメンの顔面踏んづけた結果。
部屋に戻ると、さっきまでの威勢はどこへやら、アイツはすっかり眠っていた。
蒸気した頬に、うっすら汗の滲んだ額に張り付いている前髪。
時折具合が悪そうに「うーん…」と唸る。
…また熱あがってきたんじゃねーの?
俺はアイツの額にそっと、手を置いた。
うわっ熱…これ何度くらいあるんだよ。
すると不意にうっすらと、アイツが目を開けた。
「…大丈夫かよお前」
「んー…」
アイツはハハッとちょっと笑うと
「新藤慧がなんか優しい…キモチワル…」
と言った。
「お前な…」
絞め殺すぞ。
「でも…大丈夫だから…」
徐々に小さくなっていく声。
「ありがとう……」
そしてアイツは再び、目を閉じた。