イケメンの顔面踏んづけた結果。
―――蘇るのは、修学旅行の沖縄。自由行動。
今みたいに、コイツに「ありがとう」と言われた時―――
俺は咄嗟に、横をすり抜けて行こうとするコイツの腕をつかんでた。
つかんだはいいものの、何を、何て言っていいのか分からず。
気付いたら
抱き締めていた。
自分でも
何で自分がそうしたのか
今考えてもマジで意味がわかんねぇ。
でも
ただ一つ言えるのは、コイツといると俺は
なんとなく調子が狂う。
はじめて会った時。
俺に媚びない強気な態度が、なんとなく興味を引いた。珍しい変な女だと思った。
「奴隷」にして、さんざんコキ使ってやって終わる筈だったのに…
パーティーでペアの女を連れてこい、ってなった時、女なんてありえねー。なんて思ったけど。
…なんとなくコイツの顔が浮かんで
コイツならいいかな、なんて思った。
今だって、この俺が何でずっとこんな所にいるのか…
柄にもなく看病なんてしようとしてるのか。
ただ
このブスが傍にいねぇと、なんとなく
イライラする。