イケメンの顔面踏んづけた結果。
「…あの、菊池さん。あたしがあのクソバ……新藤慧に何が出来るのかはよく分かんないですけど」
菊池さんは黙ってあたしの話を聞いている。
「でも
何かが変わっていく気がするんです。
あいつといると、あたしも」
思い出すのは、カメラを見据える真摯な瞳。
「っていうか
変わってったらいいなって、思ってるだけなんですけどね」
誤魔化すように笑うと、そう思えることが大事なんですよ、と菊池さんが真顔で言う。
彼の礼儀正しさと、この卵粥の優しさが、なんだかミスマッチなようで
とても彼らしいお粥だと思った。