華の欠片
すると背後で数名の足音が聞こえた。
少女は凄い勢いで後ろを振り返る。そこ
には浅葱色の羽織を羽織った男達がいた
。
「おい小僧。こんな時間にこんな場所で
何をしている。」
浅葱色の羽織を着た髪に少し癖のある男
が問いかけてきた。
「お前達には関係なかろう。こっちは取
り込み中だ。立ち去れ。」
「.....生意気な。お前は何者だ。まさか
、長州の者じゃないだろうな。」
「はっ....長州?笑わせるな。」
そう言った時だった。椿は後ろからのわ
ずかな殺気を感じとった。
しかし、彼女が振り向いた時には遅かっ
た。先程に切られた男が振り向いた
椿の右目を目掛けてクナイを放った。
そのクナイを避ける時間すらも無かった
椿の右目にはクナイが刺さった。
「ゔっ.....まだ.....生きて.....ぃ..た...のか..
....」
そして、苦痛に顔を歪めた椿はその場で
意識を手放した。