華の欠片


すると背後で数名の足音が聞こえた。




少女は凄い勢いで後ろを振り返る。そこ

には浅葱色の羽織を羽織った男達がいた




「おい小僧。こんな時間にこんな場所で

何をしている。」



浅葱色の羽織を着た髪に少し癖のある男

が問いかけてきた。



「お前達には関係なかろう。こっちは取

り込み中だ。立ち去れ。」




「.....生意気な。お前は何者だ。まさか

、長州の者じゃないだろうな。」




「はっ....長州?笑わせるな。」



そう言った時だった。椿は後ろからのわ

ずかな殺気を感じとった。




しかし、彼女が振り向いた時には遅かっ

た。先程に切られた男が振り向いた

椿の右目を目掛けてクナイを放った。

そのクナイを避ける時間すらも無かった

椿の右目にはクナイが刺さった。



「ゔっ.....まだ.....生きて.....ぃ..た...のか..

....」





そして、苦痛に顔を歪めた椿はその場で

意識を手放した。



< 10 / 83 >

この作品をシェア

pagetop