華の欠片
斎藤side



血の臭いがする方へ近付いていくと、倒

れている大柄な男と小柄な少年が立って

いる。



少年は長い髪に透き通る様な白い肌、キ

リッとした目。誰もが彼の顔をみたら美

しいと答えるだろう。





俺が何者かと聞くと、まったく答える気

がないらしい。




なんと生意気なガキだ。

イラついた俺は少年に向かって長州の者

かと聞いた。



すると少年は笑わせるなと言った後急に

後ろを向き身構えようとする。


..............



........一瞬だった。振り向いた瞬間少年は

倒れたままの男にクナイを打たれた。少

年が殺ったと思っていた男はまだ息があ

ったのだろう。



しかし、男はクナイを打った後、こちら

が手を下さなくても力尽きたのか、動か

なくなった。



俺は急いで少年に駆け寄り直ぐに屯所へ

連れて行く事にした。



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