華の欠片
「では、道場に案内します。是非僕と手
合わせしてくださいっ!」
この子供のような眼差しで見つめてくる
のは沖田か。
てか正直、手合わせとか面倒くさい。
まだ傷が痛む。
本気で刀を握る事は出来ないだろう。
右目だけでなく土方に殴られたところも
大きな青あざとなって未だに残っていた
。
でも…
久しぶりに剣を握れる。
これは…楽しまない訳にはいかないな。
「あゝ、分かった。
女だからって遠慮してたら、本気で殺り
に行く。
本気で掛かってこい」
「おぉ。殺る気満々ですね。」
「あゝ。もちろんだ。」
この物騒な会話を繰り広げ、妙なドス黒
いオーラを放つ二人は後に聞くと途轍も
ない殺気を放っていたという....
こうして椿の
ここでの生活の幕が
明けようとしていた。