華の欠片
「本日より、斎藤班伍長を拝命しました
里原 椿です。
事情がありまして、右目は見えませんが
隊務に支障をきたす事はございません。
以後、宜しくお願いいたします。」
ざわめきの中、椿は凛とした声を張り上
げ自己紹介をした。
一応最初の印象が悪いとそのあと色々と
面倒になりそうだと判断した椿は一応人
当たりの良い態度をとった。
「入隊したのは今日だが、剣の実力は皆
よりも上だ。
沖田との試合を見た奴なら分かるだろう。
ここは強さが全てだ。
こいつに勝ちたかったら切磋琢磨稽古に
励むんだな。
今日は以上。解散だ。」
局長は近藤さんだが、こういう場で仕切
るのは土方だ。
土方の合図で隊士達が各自部屋へと帰っ
ていく。各自といっても、平隊士は六人
で一つの部屋らしい。
「里原、部屋に案内する。ついて来い。」
斎藤が椿に声をかけ出て行こうとする
「あゝ」
椿も斎藤の後に続いた。