華の欠片
「くっ.....貴様、....何者だっ!」
殺気を放ってる少女に怖気ついたのか、
男は恐怖に歪んだ顔で少女を見下ろした
。
「貴様のような価値のない人間に名乗る
名などない........
さて、無駄話はここまでだ。
貴様にはここで死んでもらう......」
少女は何一つ表情を変えずに男に刀を振
り下ろす。
男は除けきれず、うめき声を挙げてこと
切れた。
「私に逆らわなければ良いものを.......ま
た私は人の命を奪ってしまったではない
か.....しかし…
まだだ....
まだなんだ……
……彼奴をこの手で殺すまでは.....」
さらに強く刀を握りしめる少女の長い黒
髪が月夜になびく。
その表情は無表情であったが目はどこと
なく冷め切った冷たい色をしていた。