華の欠片
すると斎藤は私の顎を優しく掴んで上を
向かせた。
私の目と斎藤の目線が絡み合う。
「俺は気持ち悪いなんて絶対思わない。
痛かっただろう?
よく我慢したな。」
そう言うと斎藤は顎を掴んでいた手を私
の頬まで優しく撫でるように動かし、私
の頬は斎藤の手に包まれた。
「膿んでいるがクナイ取り出した所の傷
は当初よりはマシになっている。
清潔に保てばすぐに傷は治るだろう。
絶対に無理はするなよ?」
「ありがとう……見苦しい物を……見
せてしまってすまなかった。」
すると斎藤はため息をつき、頬を優しく
撫でる。
「お前はもっと自分を大切にしろ。
ほら、新しい包帯巻いてやるからそれ貸
せ。」
「.....ありがとう。」
私は手にもっていた新しい包帯を斎藤に
渡すと斎藤は器用に包帯を巻いてくれた
。
昨日斎藤は無口だと思ったけど、実はそ
うじゃなくて、色々気に掛けてくれる優
しい人なんだ....
斎藤と居ると心が暖かくなる。。。
人の温かみに触れるのは悪くはないもの
だな。