華の欠片
時間に空きがあると稽古を付けてくれる
斎藤。斎藤の剣には隙がなく刀を居れる
事ができない。
ここの人は皆強いが、特に斎藤と沖田は
格段に強いと剣を交えるとよく分かる。
今日は、斎藤は出掛ける用事があるらし
く藤堂が一緒に稽古をしてくれた。
藤堂は小さいくせに沖田と同い年らしい。
でも、剣を握るとちょこまかと動きやが
る。
本当やりずらい。
「くそぉー!どうして椿には勝てない
んだっ!!!」
「そんな事私に言うな。
藤堂も十分強いと思う。」
「でも負けた。」
藤堂は犬みたいだった。
あ、ちょっと失礼だったか…。
「たまたまだ。」
「たまたまがそんなに多く続くかつーの。」
あ、藤堂拗ねた。
藤堂拗ねたよ。副長助勤の癖して。
にしても、やっぱり藤堂は犬だとおもう
。
「そういえばさ、椿って幾つなん?
俺らと同じくらいか?」
「十六だ。
てか、最初言ったはずだ。
俺らって、藤堂と沖田か?」
「十六!?
もっと上かと思ってた。
てか、俺はもう十九だぜ?
総司だけじゃなくて、
斎藤くんも総司も俺と同じ十九だし。」
空いた口が塞がらないとはこの事だろう
か....
まず、子供っぽいと思っていた藤堂が自
分より三つも年上で、しかも斎藤と沖田
も同い年....。
てかそれよりも、私の年齢聞いてもっと
上かと思ったって....私そんなに老け顔か?
軽く傷付いたのは黙っておこう。
「..おい...藤堂...私ってそんなに老けて見
えるのか...?」
「......ん⁉
何でその結論に辿り着くんだよ。
大人びて見えるって事!
老けてないよ。どう考えてもそこらの女
よりも綺麗だからっ!」
「.....世事はやめろ」
「えぇー!本当の事言っただけなのに!
そんな冷たい目で見ないで~っ!
それと何処から出てるかわかんないけど
、殺気しまってよ。
怖いから!」
.....藤堂…まじで犬だな。
やはり、歳が三つも年上だとは思えない。