華の欠片
「なのに………
やっと見つけたと思ったら男と二人きり
で…無性に腹が立った。」
「あれは、芹沢さんに二人で捕まって丁
度解放された所だった。」
私はまずいことでも言ったのだろうか…
そして沈黙が痛いとはこのことだろうか。
暫くの沈黙の末、口を開いたのは斎藤だ
った。
「………は?」
斎藤がふいに密着していた私の体を離す。
「だから、芹沢さんに捕まって…」
「馬鹿か‼︎
何故そんな事なったんだ!怪我は⁉︎」
私の言葉に被せるように斎藤はいきなり
大きな声を出した。
そして私の肩をぐらぐらと揺らす……