凸凹な関係。
「おはようございます!」

桐悟と違ってかわいい後輩に挨拶され、笑顔で返す。

そのとき、何かが頭の上にのった。重たい・・・

「よう、部長」

声の正体は、吾川遥汰(あがわ ようた)、弓道部副部長

「重い。部長って呼ぶなって言ってんじゃん」

「だって、部長じゃん。つーか、相変わらず桐悟と仲悪いのな」

「は?なんで?」

少し動揺しながら答える。

遥汰は隣のクラスだから知らないはず!

「余裕で隣まで聞こえたから 笑」

なあ?と、隣にいた池原利衣(いけはら りい)に言う。

「うん。面白かったよ?」

いやいや、全然面白くないんですけど?

ふと、時計を見ると4時5分前。

「やっば!利衣着替えよ!」

「きゃー、やばい!」

急いで着替えて、部活を始めるため挨拶をする。

「「お願いします」」

アタシは弓道が好きだ。

弓をひいているときは、何も考えなくていいし、嫌な事も忘れられる。

-ヒュッ パンッ-

「「よしっ」」

この瞬間が一番好きだ。

もっと上手くなりたいし、誰にも負けたくない。





「「ありがとうございました」」

袴から制服に急いで着替え、弓道場から出ようとすると、

「あー、終わった!じゃあ、アタシ天文部行くから」

「おー、これやる。頑張れよ」

そう言って、ジュースをくれた。

「うん、バイバイ」

遥汰と別れ、校内の部室へ向かう。
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