片想いのカタチ *短編集*
私は、キミが誰かに優しくしているたびに悲しくなる。
あなたに話しかけられる度、優しくしてもらえるかもって期待してる……。
けど、期待するだけ無駄。
キライなら、はっきりそう言って……。
「由佳!何見てんの?」
私の名前は白石由佳、高校3年。同じクラスの松本航太に片思い中。
航太好みの長くてふわふわの巻き髪。特徴のない普通の女子。
「え、別に何でもないよ」
「ウソ、どうせ航太のこと見てたんでしょ?」
そう言ったこの子は、石川桃子。私の中学からの友達。
ショートヘアが、桃子のクールな性格を引き出している。