片想いのカタチ *短編集*


――――――


授業に集中できないまま、ただ時間が過ぎていった。


いつのまにかお昼になっていた。



「桃子、私ちょっとトイレ行ってくるね」



桃子は、まだノートを書き終わってなかったので、一人でトイレに行くことにした。



「あ、うん」



教室を出る時に、航太が私の視界に入った。ちらっとこっちを見ていた。

きっと桃子を見ていたと思う。



「ふー」



トイレの鏡に映る自分の顔を見て、溜息をついた。

< 117 / 156 >

この作品をシェア

pagetop