片想いのカタチ *短編集*
――――――
授業に集中できないまま、ただ時間が過ぎていった。
いつのまにかお昼になっていた。
「桃子、私ちょっとトイレ行ってくるね」
桃子は、まだノートを書き終わってなかったので、一人でトイレに行くことにした。
「あ、うん」
教室を出る時に、航太が私の視界に入った。ちらっとこっちを見ていた。
きっと桃子を見ていたと思う。
「ふー」
トイレの鏡に映る自分の顔を見て、溜息をついた。