片想いのカタチ *短編集*
航太が長くてふわふわな髪が好みだから、伸ばしたけど……。
全然効果ない。似合ってないのかもしれない。
「弱気はだめ!」
そして、頬をぱんぱんと叩いた。
気分を上げて、教室に戻った。
――ガラッ
教室に入ると、桃子と航太が仲よさそうに笑いあっていた。
「由佳っ!?」
意外と早く戻ってきた私に桃子は驚いた。
「あ……そういうことだったんだね」
航太は、桃子のことが好きで……桃子も航太のことを好きなんだ。