片想いのカタチ *短編集*
「ゆ、由佳、これは誤解。話を……」
私は、あの場所に居たくなくて、話を聞きたくなくて教室を飛びだした。
「おいっ、ちょっと待てよ!」
駆け出した私を桃子と航太が追いかけてきた。
けれど、私は足を止めなかった。止めることができなかった。
「待てって言ってんじゃん!」
パシって、私に追いついた航太が腕を掴んだ。
「……離して」
悲しくて涙が出そうになった。
追いかけてこないでよ……。何で、桃子じゃなくて航太が来たの?