片想いのカタチ *短編集*
「見つけた……」
声を掛けられて顔をあげた。
泣くのに必死で誰かが来たことに気づかなかった。
「も、もこ……」
それは、心配そうな表情の桃子だった。
「ふふ、すごく探した」
そう言うと、桃子は私の正面に座った。
「……ごめんね。由佳、私……」
桃子は、突然私に謝った。
「え、どうして謝るの?」
「由佳、私と航太のこと勘違いしてる。私、航太のこと好きじゃないし航太もだよ」
え、それって……。喜んでいいのかな?