片想いのカタチ *短編集*
「わ、私?」
いきなりの質問にびっくりして、若干声がうわずってしまった。
「え、なに。動揺するってことは、いんの?」
そして、小学生みたいにからかってきた。
「関係ないでしょ」
颯ちゃんのことが好きなのに気づいてなくて、からかわれてしまって少しむかついた。
「あ、田辺とか仲いいよね。もしかして、田辺のこと好き?」
田辺くんてのは、同じクラスのムードメーカーてきな人。よく私に話しかけてくる。
――ガタッ
「颯ちゃんのバカ! 勉強しないなら、もう帰る!」
そう言って、私はテーブルに手をおいて立ち上がった。そして、広げていた勉強道具をおさめた。