片想いのカタチ *短編集*
健人のことを呼んだのは、隣のクラスの女の子だった。
ドア付近に顔をちょこんと覗かせていた。
「あー、隣のクラスの……」
そう言うと、健人は立ち上がってその女の子の方へ行った。
「はぁー。いいや、一人で食べちゃえ!」
私は、健人にもらった板チョコをくわえた。
『ふふ、そうなの。うん、それでね……』
話し声が聞こえたから、チラッと健人の方を見たら、楽しそうに笑ってた。
パキッと口にくわえていた板チョコを割った。