片想いのカタチ *短編集*
*・*・*・*
「愛美ー、起きなさい!」
一階からお母さんの叫ぶ声が聞こえてきた。
「はぁー」
結局、あれからずっと颯ちゃんのことを考えてしまって、一睡もできなかった。
色々考えたけど、どう接するべきかわからない。
だから、今日は家を早く出て1人で学校に行くことにした。
「よし、着替え完了」
そして、髪の毛を整えようと鏡を見た。
「げ、すごい顔…」
寝てないから、目の下に隈ができていて、何だか目も少し腫れていた。
めんどくさいから、だてめがねをしていくことにした。
そして私は、階段を駆け下りて、玄関で靴をはいた。
「愛美、もう行くの?」
階段を駆け下りる音が聞こえたのか、リビングにいた母がそう尋ねてきた。
「うん、いってくるねー」
――ガチャ
私は家を出た。