片想いのカタチ *短編集*
振り返ると、颯ちゃんがこちらにむかってきた。
「お、おはよー」
普通に接しようとしたけど、突然の登場に驚いてしまった。
「おはよー」
そういって、颯ちゃんは上靴にはきかえた。
「ねぇ、何でそんなに制服汚れてるの?」
颯ちゃんの制服は、ところどころ砂がついていた。
「あー、ちょっとな」
「ふーん」
あ、いつもみたいに素っ気なくなっちゃった。
「愛美に見せたいものあるから、ちょっとついてきて?」
私は、颯ちゃんに腕をつかまれた。
そして、颯ちゃんは私の手を引っ張って走り出した。