片想いのカタチ *短編集*
・好きなんて言えない
私、野々村愛美(ノノムラマナミ)は、毎朝幼なじみを家の前で待っている。
「颯ちゃん、おはよう」
「おはよう」
挨拶を返してくれたのは、私の幼なじみの颯ちゃんこと、三次颯太(ミヨシソウタ)。
颯ちゃんは黒髪にゆるパーマで、背も高くて普通にいけめん。
「愛美、今日数学あるっけー?」
私と颯ちゃんは幼なじみで、家は隣同士で親も仲良しだ。だから、毎朝2人で学校へ行っている。
「あるよー」
「宿題見してくんね?」
「はいはいー」
いつも宿題を見せてと頼んでくる颯ちゃん。
「愛美、頭いいもんな」
そう私のテストの成績は、いつも学年トップ3位に入る。
私、颯ちゃんの為に勉強がんばってるんだよ?
だって、颯ちゃんに間違えた答えを写させるわけにいないもん。
それで、頑張ってたらいつのまにか学力がよくなっていた。