片想いのカタチ *短編集*
颯ちゃんは、優しく微笑んでいる。
「愛美はー?」
そう言って、私の顔をのぞき込んできた。
「わ、私もだよ」
私は、上手く言えなくて、何だか恥ずかしくなって目を逸らしちゃった。
「ちゃんと愛美の言葉で言って?」
そう言って、颯ちゃんは私の頭をぽんぽんとしてくれて、私を落ち着かせてくれた。
「むぅ、きらいー」
私は、頬を膨らませてちょっとふてくされたようにした。
それを聞いた颯ちゃんは、肩をおとした。
「だって、颯ちゃんいじわるなんだもん」
そう言って、私は泣きそうになった。
「本当に俺のことキライ?」
私がキライと言ったのをちょっと気にしているみたいだった。