片想いのカタチ *短編集*
「はは、花純ちゃんにはバレたか」
先生は困ったように笑った。
「先生、疲れてる時は休んで」
無理をする先生の体調が心配だ。
「花純ちゃんと話すの楽しみなんだ。それとも、来てほしくない?」
先生は少し寂しそうに言った。
「そんなことない!先生と話すの楽しいもん」
「それならよかった。花純ちゃんと話すと癒されるよ」
優しく微笑んでいた。
「でも先生、何でそんな疲れたの?」
「それが、お見合いさせられるかもしれなくて」
先生は、この病院の院長の1人息子だ。だから、将来のことで大変みたい。
「先生、彼女いないの?」
彼女がいるならお見合いは、断れるかもしれない。
「いないよ。結構前に別れた」
てっきり、先生には彼女いると思った。かっこいいし頭もよくてとても優しい。
欠点のない完璧な人間だ。
パーマのかかった綺麗な黒髪に、たまにかける黒縁メガネ。
顔も整っていて、背も175cmくらいあって、それはもうモデルみたい。