片想いのカタチ *短編集*
「たしか、来週テストだよね?」
私たちの通う青宮学園は、三学期制で少し前に体育祭を終えた。
そうして、来週には二学期中間考査が行われる。
「げっ、まじかよ!」
颯ちゃんは、あまり成績がよくなくて、前のテストで赤点をとっていた。
「ちゃんと勉強しないとだね」
「なぁ、愛美。 お願いがあんだけど…」
私の目を見て、真剣にそう言った。
「なにー?」
不思議に思って、首を傾げた。
「勉強教えてくんね?」
「いいけど、いつ?」
素直になれず、素っ気なく言ってしまった。
「今日からテスト終わるまで教えてほしいけど」
そう申し訳なさそうに颯ちゃんは言った。