片想いのカタチ *短編集*
「大丈夫?」
男の人は、ちょっと不安そうに訊ねてきた。
「お兄さん、ごめんね。ありがとう」
お兄さんは、私の頭を撫でてくれた。
「そんなに急いでどうしたの?」
私を安心させるためか優しく問いかけてきた。
「わ、私学校に行きたいの…!」
そのお兄さんが優しく接してくれるもんだから、泣きそうになった。
「絶対行けるよ」
その言葉を聞いて、ポタポタと涙が溢れてきた。
「だから、泣かないで?」
その人は、ハンカチを取り出して涙を優しく拭いてくれた。