片想いのカタチ *短編集*
しばらくの間、私は泣いた。お兄さんは、その間ずっと私の背中をさすってくれてた。
「お兄さん、もう大丈夫だよ。ありがとう」
「そっか、よかった。お名前は?」
にっこりと笑う笑顔が眩しかった。
「花純って言うの!お兄さんの名前は?」
「花純ちゃんって言うんだね。俺は、直輝だよ」
そう言うと、私の手をとって立ち上がらせてくれた。
「よし、花純ちゃんの病室へ戻ろう?お母さん心配してるよ」
泣いている時に、お話を聞いてもらった。
「お母さん怒ってないかな?」
「大丈夫だよ」
お兄さんは、優しくて暖かいひだまりのような笑顔を浮かべた。