片想いのカタチ *短編集*
私の病室がある階まで行った。
「花純ー!」
遠くから、私の名前を呼ぶお母さんの声が聞こえていた。
そして、お母さんはこっちに走ってきた。
「お母さん!」
私も思わずお母さんのほうへ駆け寄った。
「花純、心配したのよ」
お母さんは私のことを抱きしめてくれた。
「お母さん、ごめんなさい」
いきなりどこかへ行ったり、お母さんを傷つけることを言ってしまった。
「ううん、いいの。お母さんのほうこそごめんね?」
そう言ったお母さんの声は、震えていた。
「よかったね、花純ちゃん」
お兄さんはいつの間にか私たちのもとへやってきていた。