片想いのカタチ *短編集*


「うちの子が迷惑かけてすいません。ありがとうございます」



そう言って、お母さんはお兄さんに頭を下げた。



「全然迷惑じゃないですよ」



「あのよろしければ、病室でお話でもしませんか?」



「あ、はい」



そして、私たちは病室へ入った。



「どうぞ、かけてください」



お母さんは、いすを差し出した。


何か色々話していたけど、私は眠たくなってうとうとしていた。



「あ、もうこんな時間!そろそろ俺、帰ります」



「本当にありがとうございました」



お母さんは、何度もお礼を言った。



「花純ちゃん、俺帰るね」



そう言って、頭を撫で撫でしてくれた。



< 36 / 156 >

この作品をシェア

pagetop