片想いのカタチ *短編集*
「うちの子が迷惑かけてすいません。ありがとうございます」
そう言って、お母さんはお兄さんに頭を下げた。
「全然迷惑じゃないですよ」
「あのよろしければ、病室でお話でもしませんか?」
「あ、はい」
そして、私たちは病室へ入った。
「どうぞ、かけてください」
お母さんは、いすを差し出した。
何か色々話していたけど、私は眠たくなってうとうとしていた。
「あ、もうこんな時間!そろそろ俺、帰ります」
「本当にありがとうございました」
お母さんは、何度もお礼を言った。
「花純ちゃん、俺帰るね」
そう言って、頭を撫で撫でしてくれた。