片想いのカタチ *短編集*
それから、五ヶ月たった2月のある日のことだ。
お兄さんとの別れは突然だった。
「花純ちゃん、来たよー」
開いているドアから顔を覗かせたのは、お兄さんだ。
お兄さんは、あれから毎日のように会いにきてくれた。
「お兄さん!」
私は、嬉しくなった。
「何してたの?」
「勉強だよ」
私は、全然学校に行けないから病院で勉強する。
「花純ちゃんは、偉いな!」
そう言って、私の頭を撫でてくれた。お兄さんは、よく頭をなでてくれる。
私は、この何ヶ月でお兄さんのことを色々知った。
ここの病院の院長の息子で近くの有名進学校に通っている。
「うん、花純えらいの!」
褒められて嬉しくなった私は、にこにこした。