片想いのカタチ *短編集*
ふと、時計を見たら30分くらい経っていた。
「やば、急がなきゃ」
私は、急ぎ足でトイレを出た。そして、角を曲がろうとした。
――ドンッ
よく前を見ていなかったから、誰かにぶつかった。
「いってぇ」
ぶつかった相手の声が、翔太くんの声に似てるなっ思って顔をあげた。
「え、な、え……!?」
なんと、私は翔太くんにぶつかっていた。
「しょ、しょ、翔太く……モゴ」
私は、びっくりしすぎて思わず叫んでしまった。だけど、翔太くんに口を抑えられた。