片想いのカタチ *短編集*
「うん、そうだよ……」
杏は、大切な友達なのに私は翔太くんのこと隠してた。
「……そのこと、すごく話題になってる」
そして、杏はテレビをつけた。
「うん……」
さっきテレビで見たから、話題になっていることはわかった。
「ねぇ、どうして私に話してくれなかったの?」
杏の大きな瞳には、涙が溜まっていた。
「……ごめん、ごめんね」
申し訳なくて、私はただ謝ることしかできない。
「……いーよ。私がここに来たのは、紗彩に大事な話があったからだよ」
そう言って、杏はいつもの優しい笑顔になった。