桜の雨が降るとき
「すぅ爽くんと一緒なんだ!」


「そうくん?」



天笠爽人と言う名前だけではピンと来なかったが、爽くんと言う言葉のは記憶の片隅に引っ掛かった。



「確か……バスケ部の部長の人?」


「そうそう。バスケ小学校の頃からやってたよね?」



芽衣の友達も頷く。



「すっごい上手かったよね。爽くんがいるだけでそのチーム無敵だったもん」


「へえ……」



そんなに上手いのか。
私はあんまり球技が得意じゃないけど……。



「どんな人なの?」


「うーん……。真面目だよね」


「ああ確かに。うちのクラスで合唱コンの練習真面目にやってくれる男子は爽くんだけだった。」


「パートリーダーだったよね」


「うん。リーダー的なの結構やってるよね」


「だから部長なんだね」



顔と名前が一致しない人だったが、何となく話してみたいと思った。
2人の話から、悪い印象は受けなかった。



「爽くんが1組なら、すぅの1組1番の記録は破られたね」


「そっか。じゃあうち初の2番だ!」


「や、でもまだすぅが1組って決まった訳じゃないよ?」



確かに芽衣の言う通りだが、何故か私は、当たり前のように自分は1組だと認識していた。


と、その時、職員室からまっきーがこちらに走ってくるのが見えた。
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