ZERO 深淵が謡うセレナーデ
「まぁ、また明日学校で会えるからその時に話ししてみようかな・・・・・・あ、もう家着いてたんだ」        僕の家は白堂高校から徒歩10分の距離にある築三年の真新しい一戸建てで、考え事しながら歩いていればあっという間に着いてしまう。
「なんか疲れちゃった、今日はもうベッドで横になって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
僕の体はまるで時間が止まってしまったかのようにフリーズしてしまった。何故なら僕の家の玄関の前で妙な女の子が倒れている。それも俗に言うコスプレをしている。
あぁ、これは駄目だ。この女の子に関わったら間違いなく僕は破滅してしまう。僕の直感がそう告げている。

だが、どうしたら良いものか。彼女は玄関の前に倒れている。僕が家に入るためには彼女を退かさなければならない。つまり、僕に選択肢なんかないのだ。
「あの~、大丈夫ですかどこか痛いんですか?」恐る恐る女の子の体を揺らしながら聞いてみた。だが反応はない。救急車を呼んだほうがいいのだろうか?僕は半分パニックになりながらも必死にどうすればいいのか考えた。
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