あたしをくれた貴方へ~幼い恋愛~

『・・・。』


今は授業中。

あたしは優等生というわけではないけど一応ちゃんと授業を聞く・・いつもは。

だけど今日は全然聞いてない。

あたしの手には昨日すぐに洗って乾かした黒いハンカチ。

まだひらがなの多い教科書を一応開いてみるけど先生の話なんか全然きいてない。

頭の中にあるのは昨日の男の子と男の子が発した言葉。

・・・苦手なタイプ。

思い返してみたらその男の子のこと苦手なタイプだと思った。

男の子は背が高かった。

小学6年生にくらいにみえた。

あの言葉で・・・あたしのこと一瞬で理解したように思えた。

あたしのことあたしよりわかってるんじゃないか・・って思った。

初めて会った人があたしのこと理解するわけなんてないのに・・。

あたしのこと見透かしてる気がした。

だから・・苦手なのかもしれない。

あたしはあたしのことを見透かされるのがいやなんだ。

自分で自分の気持ちわからないようになってたのに・・。

なのに他人が一瞬にしてあたしが気づかないふりをしていた気持ちを理解されるのが怖かったんだ・・。
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