あたしをくれた貴方へ~幼い恋愛~
『・・・。』
しばらくの沈黙。
こんな至近距離にいるのに何も話さないのはすごく気まずい。
「そういやさぁ・・何年生?」
突然の男の子からの質問。
『えっ・・あ、あぁ、3年生です。』
突然の質問に少し戸惑いながらも答えた。
「えっ?!まじ?絶対小学5,6年生だと思ってた。」
男の子は驚いた表情をしていた。
あたしはなんて言っていいのかわからずに男の子をみているだけ。
「あっ・・俺は小学4年生。」
『えっ?・・6年生ぐらいに見えた・・。』
つい本音を漏らしてしまった。
「俺、そんなに老けて見えんのか・・。」
『えっ・・。大人っぽく見えたってだけで・・そんなんじゃな、いです。』
「ははっ。わかってるよ。ごめん。』
あたしが少し困っているのを察したのか笑いながら謝ってきた。
会って2日目の人とこんなに話すの初めて。
なんとなく心を許してしまっている気がする。
「ちなみに清夢小学校に行ってる。名前は・・・新橋 亮我。」
新橋 亮我 (シンバシ リョウガ)
これが男の子の名前だった。
・・・普通あんまりあったことない人に自己紹介なんかする?
しないよねぇ・・。
新橋くんておかしいのかも。
『あたしは・・波崎 立香です。学校は、中相小学校。』
あんなこと言っておきながらあたしも自己紹介しちゃってる。
なんとなく・・新橋くんならいいかなって思った。
なんでだろう・・。
でも、新橋くんに知ってもらいたいと思った。
新橋くんもそう思ってくれたのかもしれない。