あたしをくれた貴方へ~幼い恋愛~
「立香ちゃんはよくここ来んの?」
『・・習い事ない日は。』
「そか。」
新橋くんは涼しい顔をしてしゃべっていきなり黙った。
あたしは新橋くんの目線の先を追ってみた。
新橋くんの目線の先には曇り空があった。
晴れていない空を眺めるなんて変なの。
あたしはそう思いながらも曇り空を眺めた。
「空ってさ、広いよな。」
空から目を離さずに新橋くんはそういった。
その時の表情は今まで生きてきて1度もみたことないくらい切なさでいっぱいだった。
小学4年生がここまで切ない表情をするとは思えなかった。
心の奥で新橋くんは何かを抱えてるのかもしれない。
あたしはもう1度曇り空を見上げた。
『・・・広いかも。』
あたしはそういって新橋くんの顔をもう一回みた。
新橋くんの表情と曇り空が重なった気がした・・。