あたしをくれた貴方へ~幼い恋愛~
うろうろしている人の正体は岬だ。
『何してんの?』
少し遠くから話かける。
「あっ新橋…。」
岬は俺に気がつくと戸惑いながらも近寄ってくる。
『何してんの?』
無表情で聞く。
「えっと…なんとなく。」
なんとなくって。
なんとなくで人んちの前をうろうろすんなよ。
迷惑だ。
『そう。じゃあな。』
俺はさっさと岬の前を通り過ぎようとした。
「ま、待って!」
『何?』
ちなつが待ってるから早く帰りたいんだけど。
『悪いけど早く帰りたいんだ。』
若干イライラしてしまう。
「えとっ、ちょっとだけ話したりしたいな…って。」
はあ。
ちなつが心細い思いしてたらどうしよう。