あたしをくれた貴方へ~幼い恋愛~
『いない?』
亮我の家族がいないって・・。
どういうこと?
「う~ん。いないっていうよりは親が育児放棄してるっていうか・・。親はただ俺を産んだだけ。実際、今年になるまではじいちゃんとばあちゃんに育てられてきたんだ。」
亮我は・・・産まれてからほとんど両親と一緒に過ごした時間はないらしい。
ずっとお母さんがたのおじいさんとおばあさんに育てられて来たんだって。
でも、おじいさんが体を壊して両親の元へ戻ってきたらしい。
今までさんざん迷惑かけてきたのにこれ以上迷惑かけたくないって思ったんだって。
今も両親とは一切口をきかないみたい。
家も二世帯住宅で住む場所が別れてるとか・・。
毎日1000円ポストに入ってるらしい。
1000円は食事代に使ってるんだって。
必要なものは揃ってるから生活には困らないらしいけど・・。
やっぱり、そんな生活は寂しいよね。
お金だけあったって幸せじゃないよ。
『そっか・・。』
家庭の話をする時亮我は笑ってた。
だけど、その笑顔が切なくて・・。
あたしは胸を締め付けられた。