電車で遭遇した場合。
「…ありがと。」
ちょっと目を見開く駿くん。
でも、そのあと優しそうに微笑んでくれた。
キューン。
駿くんの頭に天使さんがいるとすれば、天使さんの矢は私のハートに命中してるところだな。
ふふふ~喜んでもらえてよかったぁ。
『で、言うことは?』
はい、忘れてませんよ悪魔さん。
「それでね、
さっきのは中学からの同級生で…。
いつもお世話になってるから、その。
ぎ、ぎ、義理チョコあげた相手で…。」
「義理チョコ?」
「うん。」
こくりと頷きながら、ちらーりと駿くんを見上げてみる。
怒って……ないよね?