残された時間〜時を止めて〜


ポロポロと涙をこぼす奈々


「ねぇ…病気ってどういうこと?
そんなに悪いの?」


不安そうな顔をする奈々を
家の中に入れ
そっと抱き締めた


「私ね……癌なんだって…」


「!!!……が………ん……
嘘でしょ???
…ねぇ…嘘だよねぇ?!」


泣きじゃくりうろたえる奈々


「落ち着いて「落ち着けないよ!!」


私の言葉を奈々が遮る


「落ち着けるわけ…ないじゃんっ…
友達が…
大切な大切な親友が…
死ぬかも知れないって言うのに…
落ち着けるわけ……」



奈々はいつもそう
自分より友達を大切にする
優しい子だ
だからきっと
私が病気だと聞いて
飛んできたのだろう



< 12 / 16 >

この作品をシェア

pagetop