残された時間〜時を止めて〜
ポロポロと涙をこぼす奈々
「ねぇ…病気ってどういうこと?
そんなに悪いの?」
不安そうな顔をする奈々を
家の中に入れ
そっと抱き締めた
「私ね……癌なんだって…」
「!!!……が………ん……
嘘でしょ???
…ねぇ…嘘だよねぇ?!」
泣きじゃくりうろたえる奈々
「落ち着いて「落ち着けないよ!!」
私の言葉を奈々が遮る
「落ち着けるわけ…ないじゃんっ…
友達が…
大切な大切な親友が…
死ぬかも知れないって言うのに…
落ち着けるわけ……」
奈々はいつもそう
自分より友達を大切にする
優しい子だ
だからきっと
私が病気だと聞いて
飛んできたのだろう