残された時間〜時を止めて〜
「なんで?
月は悠斗君が嫌いになったの?」
「違うっ!!!」
ビクッと奈々が肩を震わす
「……ごめん………
私の癌は……乳ガンなの…
だから…助かるためには
胸を取らなきゃいけないの」
奈々が驚きと悲しみの混じった表情をする
私はそっと胸に手を当てた
「胸がないのに私…悠斗と付き合えない悠斗にこんなの…知られたくないのっ…好きだからっ…好きな人には…きれいな体を見てほしいんだよっ… 」
気づけば涙が溢れていた
「月はそれでいいの?
…本当に…別れていいの?」
心配そうな顔でそう言う奈々
「嫌だよ…別れたくない…」
「なら「でも…」
奈々の言葉を私は遮る