再愛 ーサイアイー
「あ…予鈴だ。」
「これ以上は、やめよう。授業遅刻するし。」
案外真面目なようだ。
良かったな、追いかけられている奴。
バタバタと走って行く音が聴こえた。
しばらくすると、何も聞こえなくなった。
この階、つまり2階は教室は無く、職員室や校長室といった部屋ばかりだ。
つまり、とても静かな階である。
まあ、寝るのには絶好スポット。
「あー、良かった。」
俺が再び寝ようとすると、隠れていたであろう女の声が聞こえた。
「とりあえず、瑠衣にメールしよ。」
この声って……
知り合いの声に似ている気がして、顔を出してみると、
扉近くの壁に寄りかかるようにして、女が立っている。